2019/12/23
「ミネラルの解明と可能性の追求」
その強い想いが創り上げた「海洋ミネラル結晶MCM」」
MCMの開発者である小椋武博士(理学博士)は、1950年頃から、ミネラルの可能性に注目をしていました。
小椋博士がミネラルに注目するようになったきっかけは、ある漢方の研究でした。一体何の成分が体にどのような影響を与えているのか、ということを解明するため、ありとあらゆる素材の成分を分析していたのです。その結果、使用している素材に含まれる成分のほぼ全てがミネラルであることが判明したのです。
小椋博士は、これらの研究過程で、「ミネラルの働きの解明とその可能性の追求は研究者としての使命」と捉え、ますますミネラル研究に没頭していったのです。
【理学博士 小椋 武】
タロウとジロウで有名な南極越冬隊には、小椋博士が所属していた東京大学医科学研究所荒川研究室の荒川教授と親交のあった鳥居鉄也理学博士が参加されていました。
鳥居博士は、第4次隊長として越冬隊に参加していた時、南極大陸のドンファン池で、新鉱物として後に登録された「南極石(アンタークチサイト)」を発見されました。南極石とは、それまで少なかった生物が突如として1万種以上に増えたと言われる5億数千年前のカンブリア紀の海洋水の結晶のことです。
鳥居博士は、その南極石を荒川清二教授のもとに届けられたのです。
南極石を見た小椋博士は、「生物を生み出した海洋の結晶であれば、そこに含まれるミネラル成分が何らかの変化を発揮するのではないか?」、と考え、ある実験を試みたのです。
小椋博士が予測したとおり、南極石は劇的な実験結果を生み出しました。
南極石に含まれている何らかの成分が、私たちの健康に大きく影響するということがはっきりと示されたのです。
小椋博士は、この成分がミネラルであると確信し、さらなるミネラル研究に没頭していきます。
さらに分析を重ねた結果、南極石のミネラル構成は人間の血液に似ているだけでなく、羊水に近似していることがわかりました。
しかし同時に、南極石に含まれるミネラルはカルシウムが主体であって、予想していた微量ミネラルが少ないこともわかりました。そこで小椋博士は、今度は理想的なミネラルバランスの探求に向け、さらなる研究開発が始まったのです。
【ひたちなか沖】
小椋博士は、南極石の実験結果から、ミネラルが私たちの健康に大きく関与していることを確信しました。 そして、南極石に不足していた微量元素を含む、はるかに優れたミネラルバランスの海洋ミネラル結晶の研究開発に照準を定めたのです。
その第一歩は、原材料となる良質な海洋水を探すことでした。日本各地はもとより、海外でも調査を行いました。四季がある場所では、それぞれの季節の海水の変化も分析し、妥協せずに海水の調査を行ったのです。 その結果、茨城県ひたちなか市沖合の海水がもっともふさわしいと決定しました。
ひたちなか沖には、地球内部のマントルが上昇してマグマが噴出した白亜紀(約1億4千年~6千5百万年前)の岩礁があり、地球に存在するすべての金属元素(ミネラル成分)が豊富であったからです。 また、その海域は親潮と黒潮がぶつかる潮目であり、2~20μmの大きさで光合成を行うピコ植物プランクトンがとても多く、そのエサとなるバクテリアで作られた栄養塩は、多種類のミネラルを含んでいて、海洋ミネラルの結晶化に役立つと考えたからです。
【MCMの結晶】
ミネラルを豊富に含んだ理想的な海水を選定した小椋博士は、いよいよ海水の結晶化に取り組みます。
人体に悪影響を及ぼす重金属類は深層部分に沈殿するため、深層水ではなく30m~200mの幅で採水する計画を立てました。
その深度にピコ植物プランクトンが多く生息することも確認できたため、ようやく採水がスタートしたのです。
小椋博士は、「口から摂取して消化管を通すものであるから、絶対に副作用がでないものを創ること」を大方針として、開発に臨みました。 開発工程においては製造作業と実験を繰り返し行い、様々な点に配慮を加えていきました。
農林省筑波研究所、財団法人日本極地研究振興会をはじめ様々な研究所の協力を得ながら、海水からミネラルの微量元素成分の解明に着手し、1994年5月、ようやく不純物と毒物及び塩分を除外したミネラル成分の抽出に成功しました。
こうして、ついに海洋ミネラル結晶MCMが完成したのです。
海洋ミネラル結晶MCMの開発に成功した小椋博士は、積み重ねた実験と研究結果を論文として発表していきました。
論文の国内外での反響はすさまじく、海洋ミネラルの働きについて、国内外の様々な研究機関での実験が行われました。
そして、UCLA ドリュー大学とも海水ミネラルの共同研究を開始します。
海洋ミネラルに関する論文の反響は、あっという間に世界へと広がり、1996年、フランスのニースで開催された世界的に権威ある学会に小椋博士とUCLAの研究チームが招かれます。 そして、そこでの基調講演が実現したのです。
これを皮切りに、ミネラルが人の健康に深く関与することが認識され、ミネラル研究が世界規模で大きく発展して行ったのです。
微量元素であるミネラルの分析技術が近年格段に進歩したため、ミネラルの体内での働きやメカニズムがどんどん解明されてきています。
人の生命活動は、3000種類とも言われる酵素の働きによるものとされてきましたが、その酵素にとっても、またミネラルが不可欠だということも判明しました。
また、最近では腸内フローラ(腸内細菌)が体内機能を操作している、ということも分かってきており、大変注目されています。
しかし、酵素同様、この腸内フローラにも、ミネラルが必要だということもわかっています。
ミネラルは、私たちの健康にとってまだまだ可能性を残した非常に重要な基剤なのです。